スプリントを試してみようと思っているが始め方が分からない、試しているが上手く進められていない等あるかと思います。
私は昨年度(2022年)の2月にスプリントを始め、約10ヶ月運用することで様々な気づきがありました。
その経験を基に、本記事ではスプリントにおける重要なことやTipsを紹介します。
スプリントとは
スプリントは日本語で「短距離走」という意味で、スクラム開発では細切れに開発を行うことを指します。
基本的には1週間~2週間を単位としてタスクの内容を決めて開発を進め、各タスクにはストーリーポイントと呼ばれるタスクの難易度に基づく数値を振ります。
とはいえ、難易度をそのまま数値化するのは難しいので、私のチームの場合はチームの平均エンジニアが0.5人日かかる工数を1ストーリーポイントとしました。(1日だと2ポイントになります。)
各スプリント毎に振り返りを行い、タスクの量が適切であったかどうか、見積と実績に大きな違いがあったタスクがあったかどうか等を確認し、次スプリントの開発に役立てていきます。
スプリントをする上で重要なこと
スプリントが始まる前に、対応するタスクを決定する
スプリントの途中ではなく、スプリントが始まる前に対応するタスクを決定します。
各スプリントでは1人あたりに対応できる限界量があるので、予め対応するタスクを定めておきます。
このタスクが終わらないと後続タスクに手を付けられない等、タスクの前後関係が発生する場合はそれを踏まえてタスクの進め方を決める必要もあります。
しかし、途中で追加で対応しなければならない発生する場合もあると思うので、予め決めたタスクを次のスプリントに回すなど、スプリントの途中でも優先度を考えて柔軟に対応すると良いです。
各タスクのゴールを明確にする
特に、設計/調査などのタスクはゴールを明確にすることが重要になってきます。
完了条件が不明確な場合、中々ステータスを完了にできなかったり、チームメンバー内で本当に完了として良いかどうか余分な議論が発生することがあります。
実装のタスクはゴールを把握しやすい場合が多いですが、設計/調査関連はゴールの明確化を特に意識しましょう。
見積と実績のポイントに乖離がなかったか確認する
スプリントの振り返りを行う際に、ポイントに乖離があるタスクがあったかどうか確認します。
全てのタスク毎に確認をすると会議時間が長くなるので、担当者が乖離のあったタスクを挙げていきます。
実績の方が時間が掛かったタスクの場合は、何故想定よりも時間が掛かったかどうか以下のようなを考えるようにしています。
- タスクの見積を行う前の設計/調査不足
- 動作確認における予期しない問題の発生
また、想定よりも早く完了した際も要因を考えるようにしています。
このようなポイント確認はストレスに感じる方もいるかもしれませんが、次のスプリントを改善していくためだと思って確認するようにしましょう!
Tips
最大ポイント数を5ptにする
もちろん各組織/チームで異なると思うのですが、可能な限り大きめのポイントを振らないようにすることをお勧めします。
私のチームの場合、最大ポイント数を5ポイント(2.5人日)とすることでチームメンバーの進捗が分かりやすくなりました。(少なくとも、3日に1回は各メンバー毎に何らかのタスクが完了するような状態です。)
5ポイントで終わらないような機能はたくさんあるかと思いますが、内容を分割して5ポイントに収めるようにしています。
バッファを設ける
1日に2pt消費できるから1週間で10ptというように設定すると、残業が発生する前提になってしまいます。
開発時間以外の、会議などの時間が考慮されていませんよね。
私のチームの場合、1週間あたり1.5ptはバッファを持たせるようにしています。
当初はバッファを持たせずにスプリントを回していて残業が頻発する状況になっていましたが、バッファを持たせたことにより改善しました。
バグ対応にもポイントを付与する
バグ対応も作業の1つであるためポイントを付与します。
バグは技術的負債であり、発生することをプラスに捉えないためにポイントを付与しない方が良いのではと考えたりもしました。
しかし、バグ対応のポイントが考慮されていない状況だと、スプリントの合計ポイント+αの作業が発生し残業する可能性が高まります。
ですので、バグ対応にもポイントを付与するようにしましょう。
まとめ
私の実際の経験を基に、スプリントを用いた開発に関して以下記載しました。
- スプリントをする上で重要なこと
- スプリントが始まる前に、対応するタスクを決定する
- 各タスクのゴールを明確にする
- 見積と実績のポイントに乖離がなかったか確認する
- Tips
- 最大ポイント数を5ptにする
- バッファを設ける
- バグ対応にもポイントを付与する
これからスプリントを行ったり改善される上で、少しでも参考になっていれば幸いです。
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